フリーランス美容師をやってみたいけど、集客できるか不安。
すでにフリーランスでやっているけど、新規集客が伸び悩んでいる。
このような悩みを抱えている美容師の方に向けて、フリーランス美容師のための集客方法について解説しています。
ちなみに業務委託サロンの場合は、サロン側でホットペッパービューティーなどを使って新規集客をしてくれるので、美容師側で集客をする必要は基本的にありません。
この記事で解説しているのはシェアサロンや面貸しサロンなどで100%自力集客をしないといけない美容師さんの場合です。
フリーランス美容師におすすめの集客方法まとめ
フリーランス美容師ができるだけコストをかけずに個人で簡単に始められる集客方法をいくつかご紹介します。
Instagram(インスタグラム)
フリーランスだけでなく、美容室・美容師の集客方法のなかではもっともポピュラーなのがInstagramです。
写真や動画をシェアできるSNSサービスなので美容師との相性が良く、多くの美容師が毎日ヘアスタイル写真などをアップしています。
フォロワー数1万人を超える美容師も多数おり、中には10万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサー美容師もいます。
Instagramのアカウントを持っていない美容師はいないのではないか?というほど、美容師にとってメジャーなツールです。
使っている人が多いだけにヘアスタイル写真を載せるだけなど、他の美容師と同じようなことをしていても目立てずその他大勢に埋もれてしまいます。
集客につなげるにはしっかりとした戦略を持って取り組まないと難しいでしょう。
Instagram, Inc.無料posted withアプリーチ
Instagramの参考データ
MAU(月間アクティブユーザー数):3,300万人(2019年度)
Instagramは20代女性が使っているというイメージを持っている方も多いかもしれません。
最近では20代女性はもちろん、30代~50代の女性にも多く使われており、幅広い年齢層へのアプローチが可能なツールです。
男性の利用率も決して低くはないので、メンズカットやカラーなどに特化してみても面白いかもしれません。
毎年のようにユーザー数が増え続けており、今後も大きな伸びが期待できます。
YouTube(ユーチューブ)
動画投稿サイトのYouTube(ユーチューブ)もInstagramと匹敵するほど美容師と相性の良いツールです。
写真中心のInstagramよりもさらに多くの情報を伝えることができます。
顔出しすることで美容師の人となりを知ってもらえ安心感・信頼感を得やすく、実際に予約するまでのハードルを下げることができます。
動画の内容はもちろん、撮影技術や編集技術など必要となるスキルが多いので、まだYouTubeを活用している美容師は少なく、これから狙い目の集客方法といえます。
YouTube
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YouTubeの参考データ
MAU(月間アクティブユーザー数):6,200万人(2019年度)
YouTubeのMAU(月間アクティブユーザー数)は6,200万人で、Instagram(3,300万人)の倍近く、LINEの8,300万人に次ぐ多さとなっています。
今後、モバイル通信の規格が4Gから5Gに変わっていくことで、通信速度は今までの10倍以上となり、コストも安くなります。
そうなると今よりももっといつでもどこでも手軽に動画を見られる時代となり、YouTubeのユーザー数は今後もどんどん伸びていくことが予想されます。
Twitter(ツイッター)
Twitterは140文字のテキストと写真や動画などを投稿できるSNSサービスです。
リアルタイム性が高く非常に拡散力が強いのが特徴です。
下手をすれば炎上してしまうリスクもありますが、うまく使うことで多くの人にアピールできます。
ツイッター単体で集客に使うというよりは、ブログやYouTubeなどの投稿をツイートして拡散させる等、他のツールの補助として使うのがおすすめです。
Twitterを活用しているフリーランス美容師はまだまだ少ないですが、使い方次第でいろいろな可能性が広がるツールでもあります。
Twitter ツイッター
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Twitterの参考データ
MAU(月間アクティブユーザー数):4,500万人(2017年度)
10代、20代の若年層によく使われており、年齢層が上がるにつれて利用率は低下していきます。
ユーザー数はさすがに頭打ち感があり、これ以上の伸びはあまり期待できないでしょう。
最近ではグーグル検索への信頼性の低下もあり、Twitter検索でリアルな口コミや最新情報などを探しているユーザーも増えています。
Facebook(フェイスブック)
Facebookは実名登録を原則としており、リアルな生活との結びつきが強いSNSサービスです。
文章や画像、動画など様々な情報を掲載できるので、自由度の高いアピールが可能です。
リアルな人間関係が反映するので、飲み会や趣味の集まりなど様々な場所に顔を出して知り合いを広げる戦略を取る場合の補助ツールとして便利です。
一度会っただけの人でもとりあえずFacebookで友だちになっておけば、ゆるくつながっておくことができます。
お金を払って掲載できるFacebook広告は、職業や年齢、性別などの属性や興味関心など様々な条件によってターゲティングできその精度も高いです。
Facebook広告で自身の顧客となりそうな人にアピールして集客するのもおすすめです。
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Facebookの参考データ
MAU(月間アクティブユーザー数):2,600万人(2019年度)
世界での月間アクティブユーザー数は27億人とぶっちぎりのシェアを誇っていますが、国内では2,600億人程度にとどまっており、近年はユーザー数も低下傾向にあります。
特に10代~20台の若年層のFacebook離れは大きく、若者を主要なターゲットにする場合Facebookはあまり向いていません。
40代~50代の中高年齢層の利用率が高いので、エイジングケアや美髪トリートメントなど髪のダメージが気になる方向けの技術や、中年男性向けのサービスに強みを持っている美容師さんは活用すべきツールといえます。
ブログ・ホームページ
ブログの更新は手間や時間がかかるので本格的にやっている美容師さんは少数派ですが、うまく活用することで強力な武器となります。
Instagramの場合、古い投稿はどんどん見つけられづらくなり埋もれていくため、基本的には毎日~数日に1回は更新する必要があります。
ブログの場合も更新頻度が高いに越したことはないですが、SEO(検索エンジン最適化)の知識を身に着けることで、一度書いた記事から半永久的に集客することもできます。
またInstagramやYouTubeとの連携もしやすく、文章、画像、動画など様々な表現が可能のため、他のSNSから集客した人も最終的にブログに誘導し、ブログで予約までつなげるといった母艦的な使い方もおすすめです。
ブログをしっかり読んできてくれたお客様は、自分のウリやコンセプトを理解、共感してから来てくれるため、一度来てくれたお客様のリピート率が非常に高くなるのも特徴です。
WordPress
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minimo(ミニモ)
ホットペッパービューティーが「サロンを探す」ことに特化したサービスなら、minimoは「サロンスタッフを探す」に特化したサービスといえます。
美容師、ネイリスト、アイリストなど様々なサロンスタッフが自身でメニューや価格を掲載し、お客様はそれを見て直接サロンスタッフを予約できます。
初期費用や月額料金などは無料で、実際に予約が入った際の施術料金に応じた成果報酬のみとなっています。
ホットペッパービューティーに掲載するには一番安いプランでも数万円の月額固定費が必要となりますし、スタイリスト個人というよりもお店を掲載するサービスなので、フリーランス美容師が個人で掲載するにはハードルが高いです。
一方、ミニモなら実際に予約が入った場合の手数料の支払いのみで、手数料も格安なのでフリーランス美容師にも利用しやすいサービスとなっています。
もともとはカットモデルと美容師のマッチングサービスからスタートしているため、施術料金が無料なら手数料もかかりません。
まだ顧客がいない方や技術を磨きたい方は、ミニモでカットモデルを募集することから始めても面白いかもしれません。
minimo(ミニモ)24時間予約可!美容サロン予約アプリ
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飲み会や趣味の集まりなどに積極的に参加し、リアルの知り合いを増やす
性格的に向き不向きがあるかもしれませんが、飲み会や趣味・仕事の集まりに積極的に参加し、友人知人を増やすのも地道な労力が必要ですが堅実な方法です。
積極的に飲み会やイベントなどに参加して知り合いになり、さりげなく美容師をやっていることを伝え、お店に来てもらいます。
あまりしつこく勧誘すると嫌われるので、さりげなくというのがポイントです。
気に入ってもらえれば長く続く顧客になってもらえます。
お客様からの紹介・口コミ
なかなか自分から狙ってできる集客方法ではないですが、既存のお客様からの紹介・口コミはもっとも王道の方法です。
目の前のお客様に満足してもらえるような施術・接客をするのはもちろんですが、紹介したくなるような仕掛け、紹介しやすくなるような仕掛けを用意してあげるのも重要です。
「紹介した人・された人にお得な20%オフクーポン!」という風に単純にクーポン付きの紹介カードを渡しただけでは、なかなか実際に紹介までしてくれる人は少ないでしょう。
なぜならこれだけだと、「誰に?」「どうやって?」「なぜ?」が抜けているので、具体的な行動にまで移しづらいのです。
これを例えば「大事なお友達の誕生日プレゼントに!美髪トリートメント5,000円分のギフトカード」にしてみてはいかがでしょうか?
「誰に? → 大事な友人」
「どうやって? → 誕生日プレゼントとして」
「なぜ? → 自分が行ってみてよかったから」
となり、紹介するまでのハードルを下げることができます。
お客様からの紹介を増やす仕組みについては、「愛されるサロンオーナーの教科書」の著者げしあゆみさんのブログに詳しいです。
Pinterest(ピンタレスト)
画像を共有できるInstagramに似たSNSサービス。
Instagramとは違い、自分が投稿した画像じゃなくてもWeb上にある画像をピン(保存)してまとめておけます。
Instagramの影に隠れがちですが、じわじわと利用者を増やしており、特に30代~40代の女性人気が急増中です。
Instagramが「どこに行った」「これを食べた」という過去の自分を投稿するツールであれば、Pinterestは「こうなりたい」という未来を投稿するツールとも言われています。
まだまだPinterestを集客に活用している美容師は少ないですが、やり方次第では面白いツールとなるでしょう。
Pinterest – おしゃれな画像や写真を検索
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Pinterestの参考データ
MAU(月間アクティブユーザー数):530万人(2019年度)
requpo(リクポ)
requpoは「検索がいらないサロン予約アプリ」がウリのお客様と美容師のマッチングアプリです。
お客様が「明日の13時頃、カットとカラーで8,000円くらいで、場所は表参道で。」というようなリクエストを投稿すると、複数の美容師から条件に合ったアプローチが来るという仕組みです。
美容師側からすれば予約と予約の間のスキマ時間を埋めることができ、お客様からの要望をチェックしてからアプローチできるので、自分の得意なスタイルを求めているお客様を選ぶことができます。
現在の対応エリアは東京、大阪、神奈川、愛知、福岡などの一部都市部に限られています。
誰でも使えるというわけではないですが、2016年のサービス開始以降、着々と利用者数を増やしており、今後注目のアプリです。
requpo (リクポ)/サロン予約
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TikTok (ティックトック)
MAU(月間アクティブユーザー数):950万人(2018年度)
TikTokは、15秒から1分程度の短い動画を作成・投稿できるアプリです。
10代の女子中高生の間で圧倒的な人気を誇り、最近では瑛人の「香水」のヒット要因になるなどエンタメ業界を中心に大きな影響力を持っています。
TikTokを積極的に活用している美容師はいるにはいるが、まだまだ少ないというのが現状です。
さらにアメリカと中国の関係悪化を受けて、TikTokがアメリカで利用禁止、日本も追従する流れとなっているので、TikTokが今後どうなるかは未知数です。
いまからTikTokを始めるのはちょっとタイミングが悪いので、今後どうなるかがはっきりしてからの方がいいでしょう。
TikTok ティックトック
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フリーランス美容師の集客 基本的なポイント
どのツールを使うかも大事ですが、それ以上にどのような考え方でツールを活用していくかが重要です。
フリーランス美容師が新規集客をしていく上で考えておいた方が良い基本的なポイントについて解説しています。
各ツールそれぞれの特徴を把握して、複数のツールを組み合わせる
様々なツールがありますが、それぞれに特性があり、よく使っているユーザー層、使い方などが異なります。
自分のウリや特徴、来てほしい顧客層などを踏まえた上で、複数のツールを組み合わせて使うのがいいでしょう。
Instagram × YouTube
10代~30代くらいのトレンドに敏感なおしゃれ女子がターゲットなら、Instagramに加えて、YouTubeも組合わせるといいでしょう。
Instagramにも動画はアップできますが最大で60秒です。
YouTubeの動画の尺は基本的に上限はありませんので、動画を使ってInstagramだけではなかなか伝えづらいもっと詳しい情報や美容師の人となりを伝えることができファンになってもらいやすいです。
また最近ではグーグルの検索結果にYouTubeの動画が出てくることも多いので、Instagram内、YouTube内の検索だけでなく、グーグル検索からの集客も期待できます。
InstagramとYouTubeの両方をうまく活用しているフリーランス美容師だと、都内でフリーランス美容師をされているERIKOさんが有名です。
彼女がどのような動画を公開しているかを見てみるといろいろと参考になると思います。
Instagram × ブログ
くせ毛や天然パーマ、老化によるうねりや薄毛など髪の悩みを解決するための技術に強みのある美容師さんならInstagramだけでなく、ブログも組み合わせるといいでしょう。
Instagramでは縮毛矯正や髪質改善のビフォーアフターの写真を投稿し、ブログでは髪の悩みを解決するための情報をプロの目線で丁寧に教えてあげる記事を作ります。
そうすることで、Instagramのビフォーアフター写真で興味を持った人がブログでさらに深い情報を読み納得して予約に至るという導線を作ることができます。
ブログにはグーグル検索からのSEO集客も期待できる好循環を生むことができます。
最近の10代、20代の若者はグーグル検索を使わないという意見もありますが、30代以上はグーグル検索を使いますし、なにか悩みを解決するための情報を探しているときには10代、20代でもグーグル検索はまだまだよく使われています。
トレンド重視ではなく悩み解決重視の集客をする場合は、ブログを使ったグーグル検索が有効な方法となるでしょう。
Instagramとブログを組み合わせた集客でお手本にしていただきたいのは、都内でフリーランス美容師をされている岡島 正樹さんです。
岡島さんはInstagramとブログを組み合わせた集客方法について、ブログで丁寧に戦略を解説してくれています。
戦略が大事
「美容師なんだからInstagramはやっとかないと!とにかく毎日写真をアップするぞ!」
「ブログって書いた方がいいのかな?」
「これからはYouTubeが熱いらしい!動画作るぞ!」
こんな感じで、戦略を持たずやみくもにブログを書いたり、インスタに写真をアップしても集客につなげることはなかなか難しいでしょう。
どのツールを使うかが大事ではなく、大事なことは「戦略」です。
ここで言う「戦略」とは、「誰に?」「何を?」「どうやって?」伝えるのかを決めることです。
これを決めるには「ペルソナ」という考え方が役立ちます。
ペルソナを決めよう
ペルソナとは、マーケティング概念のひとつで、商品・サービスの具体的なユーザー像のことです。
似たような用語に「ターゲット」がありますが、ターゲットは「20代~30代の女性。主婦。最近、髪のパサツキに悩んでいる。」といった感じである程度幅をもたせたふわっとした顧客像の設定です。
それに対して「ペルソナ」では、名前や年齢、性別、住んでいる場所、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイルなど、あたかも一人の人物がいるかのようなリアルな人物像を設定していきます。
ペルソナを作ることで、その一人のためにどんな情報・サービスを提供すれば喜んでくれるか?と考えやすくなり、具体的なアイデアが出やすくなります。
また、あえて人物像を絞ることにより、お客様に「あっ、これ私のことだ。」と思ってもらいやすくなり、立ち止まって話をじっくり聞いてもらいやすくなります。
たとえば、ダイエット食品を売りたい場合に、
「体重が気になるあなたに」よりも
「これって中年太り?体重が気になり始めた30代後半の貴女に」の方が響きますし、さらに
「出産してから体重が戻らない!35歳からの簡単ダイエット。ぽっこりお腹を解消したい貴女に」の方が響きます。
まとめ
フリーランス美容師が使える集客ツールの紹介と、集客を考える上での基本的なポイントを解説させていただきました。
これから始める方で「何から始めればいいのか分からない。」という方や、いまいち新規集客が伸び悩んでいるという方は、自分の強みや特徴、来てほしいお客様像についてできるだけ具体的に掘り下げることから始めてみましょう。
あとはどんな集客方法をするにしても、自分が楽しんで続けられることをやりたいですね。
せっかくフリーランスになったんだから、楽しんで美容師をやっていきましょう!